犬の舌が黒いのはなぜ?|黒いシミや変色に気づいたら
「最近、犬の舌に黒い部分があるのに気づいた」
「黒い斑点が増えている気がするけど、これって病気?」
「舌の色が前と違うように見える」
このように、犬の舌が黒くなっていることに気づいたことはありませんか?
犬の舌に黒い部分があるのは必ずしも異常ではない場合もありますが、一部のケースでは病気が隠れていることもあるため注意が必要です。
今回は、犬の舌が黒く見える原因と見分け方、動物病院を受診するべきサインについて解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、愛犬の口の健康チェックにお役立てください。
犬の舌が黒いのは異常?
犬の舌が黒いのは異常なのでしょうか。
結論から言うと、犬の舌に黒い部分があること自体は珍しいことではありません。
黒や青っぽい色の斑点やシミのようなものがある犬は少なくなく、犬種によっては生まれつきメラニン色素が多いこともあるためです。
特に以下の犬種では、舌に黒い色素沈着が見られることがあります。
- チャウチャウ
- シャーペイ
- ラブラドール・レトリーバー
- ゴールデン・レトリーバー
- 柴犬
これらの犬種では、黒っぽい舌や斑点があっても正常なことが多いです。
しかし、
- 突然黒い斑点ができた
- 黒い部分の形が変わってきた
- 痛がっている
などの場合には注意が必要です。
黒い舌の主な原因
犬の舌が黒くなる原因には、正常なものから病的なものまでさまざまです。
それぞれ詳しくみていきましょう。
生まれつきの色素沈着
- 黒や青紫のシミが子犬の頃からある
- 形や大きさがずっと変わっていない
- 特に痛がる様子や出血がない
このような場合、多くはメラニン色素が多く含まれている正常な模様です。
特に問題ない場合が多いでしょう。
加齢に伴う変化
犬の舌に、年齢とともに少しずつ黒い部分が増えてきたと言う場合には、高齢犬によく見られる色素沈着の可能性があります。
こうした舌の色の変化は、加齢によるもので健康に支障をきたさないことが多いです。
外傷や火傷の跡
- 固いおもちゃで舌を打った
- 熱いものを食べてしまった
- 歯が舌に当たって傷をつけた
このような場合には、組織の損傷後に色素沈着が残ることがあります。
すでに外傷や火傷が治っていれば問題ありませんが、気になる場合は動物病院を受診しましょう。
炎症や潰瘍の跡
舌の潰瘍やただれが治ったあとに、黒っぽい色が残ることがあります。
舌の潰瘍やただれは治っていたとしても、根本に歯や口の中のトラブルがある可能性があるため、動物病院を受診しましょう。
舌の潰瘍や歯周病などの炎症による変色は、歯科的な診察がとても重要になります。
舌の潰瘍については詳しくはこちらの記事もご覧ください。
犬の舌の潰瘍について|見逃したくない症状と対処法を獣医師が解説
腫瘍や悪性変化
舌の黒い部分に変化がある場合には注意が必要です。
- 黒い部分が急に大きくなってきた
- 表面がボコボコしている
- 出血がある、痛がって触らせない
このような症状がある場合は、腫瘍の可能性もあるため早急な検査が必要になります。
特に舌を痛がっている場合には食欲も落ちる可能性があるため、なるべく早く動物病院を受診しましょう。
どんなときに受診すべき?
以下のような変化に気づいたら、早めに動物病院を受診することをおすすめします。
- 舌の黒い部分が突然出てきた
- 以前からある黒い部分が大きくなってきた
- 色が濃くなったり、形が変化している
- 犬が舌を気にしてこすったり、食欲が落ちたりしている
- 口臭やよだれが増えてきた
舌の異常は歯や口の中の病気と関係していることも多いため、歯科の視点からの診察がとても大切です。
歯や歯ぐきが舌に慢性的に当たって傷を作っている場合には、尖った歯の修整や抜歯などの歯科処置を行うことで、症状が改善するケースもあります。
舌が黒い原因が病気の場合は早期に治療をすることで、歯や口のトラブルが重症化することを防げます。
武蔵小山どうぶつ病院では、歯科に力を入れており、舌の変色や潰瘍などの口腔内の異常にも対応可能です。
視診・触診のほか、必要に応じて麻酔下での詳しい口腔内チェックや細胞診を行い、舌の黒い変化の原因を見極めていきます。
まとめ
犬の舌に黒い斑点や変色が見られた場合、それが生まれつきの色素沈着なのか、病気によるものなのかを見極めることが大切です。
もし黒い部分が突然現れたり、変化してきたりしている場合は、放置せず動物病院で診察を受けましょう。
当院では、歯科診療に力を入れており、舌や口腔内の異常にも対応しています。
「舌が黒いけど大丈夫かな?」と思ったら、どうぞお気軽にご相談ください。
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武蔵小山どうぶつ病院