犬の顎が腫れている?|歯や骨の病気が関係しているかも
「犬の顎がぷっくり腫れてきた気がする」
「触ると嫌がるけど、痛みがあるのかな?」
「しこり?それとも歯が原因?」
愛犬の顔やあごに腫れを見つけたら、不安になりますよね。
実は犬の顎の腫れには、歯やあごの骨に関わるトラブルが隠れていることが少なくありません。
放っておくと、骨の破壊や感染の拡大につながるケースもあるため、早期に対応することが大切です。
今回は、犬の「顎の腫れ」に関連する代表的な病気と、受診の目安、予防のポイントについてわかりやすく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、愛犬の口腔ケアにお役立てください。
顎の腫れに関係する主な原因
犬の顎の腫れは、単なる外傷だけでなく、歯周病や顎の骨に関わる異常が背景にあることも多いです。
見た目だけではわかりにくい口のトラブルが原因になっているケースもあります。
いくつか代表的な原因を紹介します。
歯周病
歯周病は歯石や歯垢が原因で歯ぐきに炎症が起こる病気です。
進行すると歯の根っこや顎にまで炎症が広がり、顎の腫れを引き起こすことがあります。
根尖膿瘍(こんせんのうよう)
根尖膿瘍は歯の根っこに膿がたまってしまう状態です。
膿が皮膚の下まで広がると、顎が腫れてしまうことがあります。
抜歯後の感染・治癒不全
抜歯後に細菌感染が起きたり、傷がふさがらずに慢性化することで、顎に腫れや炎症が残ることがあります。
顎骨の異常(骨髄炎や骨壊死)
歯周病や感染がさらに進行し、骨まで炎症が及ぶと、顎の骨が壊死や骨折のような状態になることもあります。
このようなケースでは、顎が大きく腫れたり、膿が出続けるなどの症状がみられます。
腫瘍
口腔内や顎周囲に発生した腫瘍が、腫れやしこりとして現れる場合もあります。
良性の腫瘍も大きくなると腫れて見えますし、悪性の場合は顎の骨を壊しながら広がることもあるため、注意が必要です。
こんな症状があれば早めの受診を
- 顎や頬にふくらみがある
- 触ると嫌がる、痛がる
- 歯がぐらぐらしている
- よだれが増えた、口臭がきつくなった
- 食べるときに痛がるそぶりがある
- 顎のあたりに膿や出血がある
これらの症状がある場合、歯や骨に異常が起きている可能性があるため、早めの診察が必要です。
特に一度治ったように見えても、また腫れてきたという場合は、慢性的な炎症や壊死のリスクも考えられます。
歯科に強い動物病院への受診
犬の顎の腫れには、歯科的な知識と画像診断、必要に応じた外科的処置が求められます。
そのため、犬の顎が腫れている場合には歯科に強い動物病院への受診が大切です。
診断と治療には以下のような対応が行われます。
- レントゲンやCTで骨の状態を確認
- 感染部位の洗浄・抗菌薬の投与
- 抜歯や壊死骨の切除
犬の状態に応じて、原因となっている病気に対する診断と治療を行う必要があります。
予防と日頃のケアも重要
歯やあごの病気を予防するには、毎日のデンタルケアと定期的なチェックが不可欠です。
- 歯みがきを習慣にする
- 硬すぎるガムやおもちゃは避ける
- 年に1〜2回の歯科検診を受ける
- 顎や顔に触れたときの反応を普段から観察する
違和感に早く気づき、適切に対応することが、口腔内トラブルの早期発見・悪化予防につながります。
まとめ
犬の顎の腫れは、見た目だけでは判断が難しく、歯や骨にかかわる深刻なトラブルが隠れている場合があります。
早期に発見できれば、多くのケースで治療が可能です。
武蔵小山どうぶつ病院では、歯科診療に力を入れており、口腔内の精密な検査・処置にも対応しています。
顎の腫れや口の異変に気づいたら、どうぞお気軽にご相談ください。
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