犬の口腔内異物とは?|気づきにくい口の中の異変に注意
犬は散歩中に拾い食いしたり、おもちゃや布などで遊んでいたりする時に、口の中に異物が残ってしまうことがあります。
犬の口腔内異物は見た目にはわかりにくく、放置すると炎症や痛み、歯の損傷につながることもあるため注意が必要です。
「どんなものが口腔内異物になるの?」
「口の中に異物がある時にはどうしたらいいの?」
「どんな時に病院に行ったらいいの?」
このような疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。
今回は、犬の口腔内異物について、主な原因・症状・対処法をわかりやすく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、犬の口腔ケアにお役立てください。
口腔内異物とは
口腔内異物とは、犬の口の中に本来入っていないものが挟まったり、詰まったりしてしまう状態をいいます。
よく見られる異物には以下のようなものがあります。
- 小枝や木片
- 毛布などの繊維
- おもちゃの破片
- 骨ガムの破片
- 歯に絡まった食べかす
特に口腔内異物は歯と歯の間や、歯ぐきの奥、口蓋(上あごの天井)に挟まることが多く、外から見ただけでは気づかれにくいのが特徴です。
どうして異物が入るの?
犬は口を使って物をくわえたり、かじったりすることが多い動物です。
そのため、おもちゃ遊びや散歩中の拾い食い、毛づくろい中などに異物が入り込むことがあります。
飼い主様が見ていないところで、壊れかけのおもちゃで遊んでいておもちゃの部品や破片が口の中に挟まってしまうこともあります。
また、歯並びの隙間が大きい犬や、歯周病で歯ぐきが後退している犬では、より異物が入り込みやすいため注意が必要です。
口腔内異物による症状
口腔内に異物があると、以下のような症状が見られることがあります。
- よだれが増える
- 食べづらそうにする
- 硬いものを噛みたがらない
- 食欲が落ちる
- 前足で口をこする
- 顔を振ったりこすりつけたりする
- 出血や腫れが見られる
一見すると歯周病などの歯の病気と症状が似ています。
異物が原因の場合は、取り除くだけで急激に症状が改善することが多いです。
見逃されやすいケースも多い
口腔内異物は外から見ただけでは気づかれにくく、症状が進行してから発見されることもあります。
異物による慢性的な刺激が続くと、歯や歯ぐきの炎症、歯の破折や感染、破歯細胞性吸収病巣の誘発などにもつながるため注意が必要です。
破歯細胞性吸収病巣についてはこちらの記事もご覧ください。
口腔内異物の治療
口腔内異物の治療は、異物を取り除いたうえで、炎症や損傷の有無に応じた処置を行います。
口腔内異物による外傷などで感染がある場合は、洗浄や抗菌薬を投与します。
歯の破折などがあれば抜歯や修復処置が必要です。
口腔内異物は口腔内や歯に炎症を起こす可能性があるため、歯科的な診察を必要とします。
歯科に強い動物病院で診察してもらうことで、異物が原因の口腔内の問題を見逃さず対応できるのが大きなポイントです。
予防と日頃のチェック
口腔内異物はある程度予防することが可能です。
- 散歩中の拾い食いを防ぐ
- おもちゃやガムの安全性を確認する(裂けやすい布製・糸状のものは避ける)
- 口の中に違和感がないか日頃からチェックする
- 歯みがきやお口のケアを習慣化し、異変に早く気づけるようにする
などの対策を行いましょう。
特に壊れかけているおもちゃや、硬すぎる骨ガムなどは異物の原因になりやすいです。
ご家族が見ていないところでは与えないようにしましょう。
また、日頃からよく口の中を観察できるようにしておくことが重要です。
異物が挟まっていたことに気づかず放置されてしまうケースも少なくありません。
まとめ
犬の口腔内異物は、ちょっとした枝や糸くずでも、大きな不快感やトラブルにつながることがあるため注意が必要です。
原因に気づいて適切に対応すれば、症状はすぐに改善することもあります。
武蔵小山どうぶつ病院では、歯科診療に力を入れており、口腔内の異物や歯の異常にも対応しています。
「口の中に何かある気がする」「口の調子が悪そう」と思ったらお気軽にご相談ください。
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