犬の歯石の再付着について|原因・対策・予防法を獣医師が解説
犬の歯石は、口腔内の健康を脅かす大きな要因のひとつです。
歯石は一度除去しても再付着してしまうことがあり、飼い主様にとっても悩ましい問題ですね。
なぜ歯石は何度もついてしまうのでしょうか?
歯石の再付着を防ぐには原因を理解し、日頃の歯のケアをしっかり行うことが重要です。
この記事では、歯石が再び付着してしまう原因や再発を予防する方法を詳しく解説いたします。
ぜひ、最後までお読みいただき日常の歯のケアにお役立てください。

歯石とは何か?どうして歯石はついてしまうのか
歯石とは、歯垢(プラーク)が唾液中のカルシウムやリンなどのミネラルと結びついて石のように固くなったものです。
最初は柔らかい歯垢ですが、48時間ほどで硬くなりはじめ、数日〜1週間で歯石に変わってしまいます。
歯石は細菌が繁殖しやすく、放置すると歯周病の原因となります。
一度ついてしまった歯石は、歯磨きでは除去できません。
歯石をとるには、獣医師による麻酔下での歯石除去(スケーリング)が必要です。
犬の歯垢・歯石がたまりやすい原因は、以下のようなものがあります。
唾液の成分
犬の唾液の成分は弱アルカリ性であり、歯垢がミネラルと結合しやすく歯石ができやすい環境になっています。
歯磨きをしない・十分ではない
歯垢を放置すると歯石になってしまうため、犬でも食後の歯磨きが必要です。
犬は人より歯垢が歯石になるスピードが早いため、毎日歯磨きをしてあげることが大切ですね。
噛む行動が少ない
野生の動物達は狩りをする際に噛んだり引きちぎったり、日常的に歯を使っています。
その際に歯垢が擦り減っていくため、歯石がつきにくいと言われています。
しかし飼育下の犬の暮らしでは、歯を使う機会は多くありません。
そのため自然と歯垢がたまりやすくなるということですね。
口の構造の問題
歯垢がたまりやすくなる原因として、犬の口や歯の構造によるものもあります。
- チワワ
- トイプードル
- シーズー
などは口が小さく、歯と歯の間が狭くなっています。
そのため、隙間に歯垢がたまりやすいということですね。

歯石が再付着してしまう理由は?
獣医師によって歯石の除去(スケーリング)をしても、その後のご自宅でのケアが不十分だと再び歯垢がたまり、歯石がついてしまいます。
歯石の再付着の主な原因は以下になります。
- 歯磨きが不十分
- 口腔内環境の悪化
- 食生活
歯石の再付着のスピードは犬によって異なりますが、早ければ数週間から数ヶ月で再発してしまうことがあるため注意が必要です。
また、歯肉炎や唾液の質の変化などにより、口腔内の環境が悪化し細菌が増えてくると歯垢が歯石へと変わりやすくなります。
食生活も重要で、柔らかいフード中心の食事は歯の表面に汚れが残りやすく、歯垢がたまる原因となります。

歯石の再付着を防ぐには
犬の歯石の再付着を防ぐには、日常のケアが重要です。
以下のようなことを意識し、歯石の再付着を防いでいきましょう。
毎日の歯磨き
毎日の歯磨きを継続することが、歯石の再付着を防ぐ最も効果的な予防法です。
歯磨きをする際には、歯と歯茎の間を優しくマッサージするように歯ブラシで歯垢を落とします。
また、歯磨きペーストなどを使用するのもおすすめです。
歯磨きを嫌がる場合は、口元を触る練習や、デンタルシートなどで口の中を拭き取る練習から始めてみましょう。
食事の見直し
食事の見直しも重要です。
柔らかいフードだけでは、歯の表面に汚れが残りやすくなります。
ドライフードなど硬さのあるものも取り入れていきましょう。
ただし、過度に硬い食べ物は口腔内を傷つけたり、破片を飲み込んで異物となってしまう可能性があるため注意が必要です。
デンタルガムやおもちゃの使用
デンタルガムや歯垢除去作用のあるおもちゃを使用するのもひとつです。
ただし、噛むだけで完全に歯石予防ができるわけではないので、あくまで補助的に使うようにしましょう。
サプリメントの使用
犬のデンタルサプリメントも効果的です。
サプリメントは歯石そのものを除去する作用はありませんが、
- 歯垢の付着を抑える
- 口腔内環境を整える
- 細菌の増殖を抑える
といった予防効果があり、歯磨きと併用して使用すると有効です。
定期的なデンタルチェック
定期的に動物病院で口腔内をチェックしてもらうようにしましょう。
歯石が少しでも再付着していたら、早めに対処してあげるのが重要です。

まとめ
犬の歯石は一度とって終わりではありません。
歯石の再付着を防ぐには、その後のご自宅での歯磨きや適切な口腔ケアがとても重要です。
当院は歯科を強みにしています。
歯石の除去から、日常のケアに関してのお悩みなど何でもご相談ください。
歯は健康な生活を送るために欠かせないものです。
歯磨きを日常にして愛犬の健康寿命を伸ばしていきましょう。

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