愛犬が抜歯手術をすることになると、飼い主様は
- 犬の抜歯手術はどんな手術?
- 抜歯手術が必要になるのはどういうケース?
- 術後はどんなことに気を使わないといけないの?
など、不安でいっぱいになりますよね。
抜歯手術は、重度の歯周病などのトラブルを根本から解決し、愛犬がストレスなく食事をすることができるようにするために避けられない処置です。
今回はそんな犬の抜歯手術について詳しく解説します。
犬の抜歯手術についてご不安のある飼い主様はぜひこの記事を最後まで読んでいただき、手術に対する理解を深めましょう。

抜歯手術ってどんな手術?
犬の歯は、打ち込まれた釘のように顎の骨にある穴にぴったりはまり込むことで顎の骨と一体化するようにつながっています。
はまり込むといっても単純に刺さっているだけではありません。
歯の周囲に存在する歯根膜という靭帯が、歯と顎の骨をしっかりと繋ぎ止めています。
抜歯手術では、無理やり歯を引っ張って抜くのではなく、歯肉をメスで切り開き、歯根膜を丁寧に切断することで歯を取り除きます。
歯を除去した後、切開した歯肉を縫合して抜歯手術は終了です。
犬の歯周病が進行すると、顎の骨が溶けてしまうことがあります。
そのような箇所には、抜歯処置の後で歯茎の粘膜を移動させて覆いを作るフラップ処置を施します。
フラップ処置により、傷口をしっかり防ぐことが可能です。

抜歯手術の適応疾患
「愛犬の歯を抜く」という決断は、飼い主様にとって勇気のいることですよね。
しかし、抜歯手術は口のトラブルや痛みから愛犬を解放するための根本的で必要な処置でもあります。
それでは、具体的に抜歯手術が必要になるのはどのような病気のときなのでしょうか?
抜歯の適応となる代表的な疾患をご紹介します。
歯周病
犬で抜歯手術が必要になる病気として、最も多いのが歯周病です。
歯周病とは、口腔内の細菌が歯周ポケットに入り込み歯や歯を支える歯槽骨を溶かしてしまう病気です。
歯や歯槽骨が溶けてしまうと、ピッタリはまっていた関節に隙間ができ、グラグラ動くようになります。
溶けてしまった歯や歯槽骨は元通りになることはなく、痛みの原因となるので抜歯が必要になります。
破折
外傷などにより歯が折れてしまった場合も、抜歯手術の適応になります。
残念ながら、折れてしまった歯をくっつけることはできません。
歯が折れてしまった状態を放置しておくことは、亀裂から細菌が入り込む原因になるので、抜歯手術を行うほかありません。
乳歯遺残
乳歯遺残とは、通常生後6〜8ヶ月で永久歯に生え変わるはずの乳歯がその時期を超えても残っている状態を指します。
乳歯遺残はチワワなどの小型犬で多く見られます。
乳歯と永久歯が両方ある状態では、歯と歯の隙間が狭くなり、汚れが残りやすく歯周病リスクが高いです。
成長を待っても乳歯が抜けない場合は、手術で乳歯を抜く必要があります。

抜歯手術後の注意点
愛犬が抜歯手術を実施することになると、ご家族は術後の生活について不安がたくさん浮かぶのではないでしょうか。
抜歯手術を行った犬のご家族に、術後に気をつけていただきたいポイントをご紹介します。
術後の食事
術後数日から数週間は、柔らかい食事にしてあげましょう。
手術直後は、口腔内の傷が痛んでいることが多いです。
ウェットフードやふやかしたフードをあげることで、傷を刺激せずに食事をとることができます。
ジャーキーや硬い骨などのおやつは傷が十分治るまであげないようにしましょう。
手術後傷の状態が落ち着いたら、普段の食事に戻せる場合がほとんどです。
安静
手術当日は激しい運動や興奮するようなイベントは避けるようにしましょう。
抜歯手術の後に激しい運動や運動や興奮で血行が良くなりすぎると、止まっていた出血が再開したり、腫れがひどくなってしまう場合もあります。
毎日のお散歩は、数日間は短距離にとどめて、ドッグランや激しい遊びは控えましょう。
多頭飼育をしている場合は、同居の犬との遊びが激しくなりすぎないように、必要に応じて部屋を分けるなどの配慮をしてあげると良いです。
傷の保護
口の痛みを気にして、犬が引っ掻いたり擦ったりすることで傷の治りが悪くなってしまいます。
エリザベスカラーをすることで物理的に顔に傷をつけることから守ることが可能です。
エリザベスカラーを装着してすぐは、家具や壁にぶつかったり食事や飲水が難しいこともあります。
犬が慣れるまでは注意して見守ってあげましょう。
薬の投薬
抗生剤や痛み止めは、処方された分を飲み切るようにしましょう。
術後数日ですっかり愛犬の元気な状態に戻ると、「もう薬は飲ませなくていいかな」と思うかもしれませんが、自己判断で薬を中断することはやめましょう。
特に抗生剤は、途中で投薬をやめてしまうと、原因菌に耐性がついてしまい、次に同じ薬が効かなくなるリスクがあります。
もし薬を飲ませた後に吐いてしまったり、下痢などの異変が見られたりした場合は、自己判断で中止せず、すぐにご相談ください。
デンタルケアの再開
術後傷がしっかり治り食事も元に戻せたら、飼い主様にとってはそこからが非常に重要です。
デンタルケアを再開し、残った歯を大切にしましょう。
歯周病などで抜歯を行なった場合は、残すことができた歯には歯石除去を同時に実施している場合が多いです。
歯石除去を実施した歯は、どうしても歯の表面に小さな傷がつくので、再度歯石がつきやすくなっています。
残った歯をしっかり守るためにも、執刀医と相談しなるべく早くデンタルケアを再開しましょう。

まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は犬の抜歯手術について解説しました。
抜歯手術は、術後に気をつけなければいけない点も多く、手術についてしっかりと飼い主様にご理解いただくことが重要です。
当院では、歯科の治療に力を入れています。
愛犬の歯についてご心配のある方はぜひ当院までご相談ください。
よくあるご質問(Q&A)
Q.犬の抜歯手術はどのような手術ですか?
A.犬の抜歯手術は歯肉を切開して歯根膜を丁寧に切断し、歯を取り除く外科処置です。
処置後は歯肉を縫合して傷を保護するため、全身麻酔下で安全に行われるのが一般的です。
Q.犬の抜歯はどんなときに必要になりますか?
A.犬の抜歯は重度の歯周病や歯の破折、乳歯遺残などがある場合に行われます。
とくに歯がぐらついている場合や感染が進んでいる場合は、痛みや炎症の原因になるため抜歯が必要になることがあります。
Q.犬の抜歯手術後に気をつけることは何ですか?
A.犬の抜歯後は柔らかい食事にすることと安静を保つことが重要です。
加えて、処方された薬をきちんと飲ませ、傷が治るまでは硬いおやつや激しい運動を避けることで、回復をスムーズにすることにつながります。

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