
「気づいたら床に犬の歯が落ちていたけど病気かな?」
「犬の歯が抜けたけど、このままでいいの?」
「ごはんは食べているから様子を見ても大丈夫?」
犬の歯が抜けたときにこのように悩んだことはありませんか?
犬の歯が抜けたときに大切なのは、抜けた歯だけを見るのではなく、口の中全体の状態を確認することです。
とくに歯周病の進行が原因の場合は、ほかの歯にも同じような問題が起きていることがあるため注意が必要です。
今回は、犬の歯が抜けたときに考えられる原因や、受診の目安について解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、愛犬の口の中に隠れたトラブルを見逃さないようにしましょう。

犬の歯が抜けたときにまず確認したいこと
犬の歯が抜けたときは、まず愛犬の様子と口の中の状態を落ち着いて確認しましょう。
歯が抜けた直後は、出血や痛みがある場合があります。
無理に犬の口を開けようとすると、痛みで嫌がったり、飼い主様の手を噛んでしまったりすることもあるため注意が必要です。
主に確認したいポイントは次の通りです。
- 出血の有無
- 口臭の強さ
- 歯ぐきの腫れ
- 食欲の変化
- 顔の腫れ
少量の出血で愛犬が元気にしている場合でも、成犬の歯が抜けた場合は一度動物病院で確認することをおすすめします。
とくに、歯ぐきが赤い、口臭が強いといった場合は、歯周病などの歯の病気が進行している可能性があります。
犬の歯が抜ける原因
犬の歯が抜ける原因はひとつではありません。
子犬では乳歯の抜け替わりが多いですが、成犬では歯周病や外傷などが関係していることがあります。
年齢だけで判断せず、抜けた歯の周囲や口の中全体を確認することが大切です。
乳歯の抜け替わり
子犬の歯が抜けた場合は、乳歯から永久歯へ生え替わる途中である可能性があります。
犬の乳歯は成長にともなって抜け、永久歯に生え替わります。
この時期には小さな歯が床に落ちていたり、おもちゃに血がついていたりすることがあるでしょう。
乳歯の抜け替わり自体は自然な変化ですが、抜けるべき乳歯が残ったまま永久歯が生えてくる「乳歯遺残」が起こることもあります。
乳歯遺残を起こして乳歯と永久歯が並んで生えていると、歯並びや噛み合わせに影響することがあります。
全ての乳歯が抜けているかを確認するためにも、病院で犬の口を確認してもらうようにしましょう。
歯周病
成犬やシニア犬の歯が抜けた場合、もっとも注意したい原因が歯周病です。
歯周病は、歯垢や歯石に含まれる細菌によって、歯ぐきや歯を支える組織に炎症が起こる病気です。
初期には歯ぐきの赤みや口臭から始まり、進行すると歯を支える骨が破壊される可能性があります。
その結果、歯がぐらつき、最終的に自然に抜けてしまうことがあります。
歯が抜けるほど歯周病が進んでいる場合、その1本だけの問題ではないことも少なくありません。
ほかの歯にも歯石や歯周ポケット、歯槽骨の吸収が起きている可能性があるため病院で確認してもらうのがいいでしょう。
外傷
犬の歯は、ぶつけたり、硬いものを噛んだりしたときにも抜けることがあります。
たとえば、
- 転倒
- 落下
- 交通事故
- 硬すぎるおもちゃや骨を噛んだこと
などが原因になることがあります。
この場合、歯が抜けるだけでなく、歯が欠けたり、顎の骨にダメージが起きたりすることもあるため注意が必要です。
外傷によって歯が抜けた場合は、見た目以上に口の中の損傷が大きいことがあります。
出血が多い場合や、顔の腫れがある場合は早めの受診をおすすめします。
口の中のできものや炎症
犬の歯が抜けた背景に、口腔内のできものや強い炎症が関係していることもあります。
歯ぐきや顎の骨に病変があると、歯を支える組織が弱くなり、歯がぐらつくことがあります。
口の中のできものは、良性のものもありますが、悪性腫瘍が隠れていることもあるため注意が必要です。
歯が抜けた部分の周囲にしこりやただれがある場合は、早めに動物病院で確認してもらいましょう。

犬の歯が抜けたまま放置してもいい?
犬の歯が抜けた場合、子犬の乳歯の抜け替わりであれば大きな問題がないことも多いでしょう。
しかし、成犬の歯が抜けた場合は、放置しない方が安心です。
歯が抜けたこと自体よりも、歯が抜けるほど口の中の状態が悪化している可能性があるためです。
とくに歯周病が進行している場合、放置すると次のようなトラブルにつながることがあります。
- 食欲の低下
- 顔の腫れ
- 鼻水やくしゃみ
- 顎の骨折
とくに小型犬では、歯周病によって顎の骨が薄くなると、下顎骨折のリスクが高まることがあります。
歯が抜けたことで一時的に痛みが減ったように見えても、歯周病で壊された骨や歯ぐきが元通りになるわけではありません。
「抜けたから治った」と考えるのではなく、ほかの歯や顎の骨の状態を確認することが大切です。
歯が抜けたときに動物病院で行うこと
犬の歯が抜けたとき、動物病院では口の中の視診や触診を行います。
ただし、歯周病の進行度や歯の根元の状態は、見た目だけでは判断できないことも多いです。
そのため、必要に応じて歯科レントゲン検査で状態を確認してもらう必要があります。
歯科レントゲンで確認できることは主に以下の状況です。
- 歯根の残存
- 歯槽骨の吸収
- ほかの歯の状態
- 顎の骨の変化
- 抜歯の必要性
歯科レントゲンなどで状況を確認してもらった上で、歯石や歯周病がある場合はスケーリングなどの治療を受けましょう。
すでに強くぐらついている歯や、痛みの原因になっている歯がある場合は、抜歯が必要になるかもしれません。
犬の歯が抜ける前にできる予防
犬の歯が抜ける原因の多くは、日頃のデンタルケアと定期的な歯科チェックで予防できることがあります。
とくに自宅での歯みがきは、歯垢の付着を減らすために大切です。
ただし、すでに歯石になっている汚れは、歯みがきだけで取り除くことはできません。
歯石が多い場合や口臭が強い場合は、動物病院でのスケーリングを検討しましょう。
また、硬すぎるおもちゃや骨を噛ませることは、歯の破折や外傷につながることがあります。
犬の歯の健康を守るためには、噛むものの硬さにも注意が必要です。

まとめ
犬の歯が抜けたときは、子犬の乳歯の抜け替わりなのか、成犬の病的な脱落なのかを見極めることが大切です。
成犬やシニア犬の歯が抜けた場合は、歯周病や外傷、口の中の病変が隠れている可能性があります。
とくに歯周病が進行している場合、抜けた歯だけでなく、ほかの歯や顎の骨にも影響が出ていることがあるため早めに動物病院を受診しましょう。
当院では、犬の歯科診療として、スケーリング、抜歯、歯科レントゲンに対応しています。
愛犬の歯が抜けた、歯がぐらついている、口臭が強いなどの症状がある場合は、お気軽にご相談ください。
よくあるご質問(Q&A)
Q.犬の歯が1本だけ抜けた場合でも動物病院を受診した方がいいですか?
A.成犬の犬の歯が1本だけ抜けた場合でも、一度動物病院で確認してもらうことをおすすめします。
歯周病や口の中の病変が隠れていることがあり、ほかの歯にも問題が起きている可能性があります。
Q.犬の歯周病で歯が抜けた場合はそのまま様子を見ても大丈夫ですか?
A.犬の歯周病で歯が抜けた場合は、そのまま様子を見るのはおすすめできません。
歯が抜けるほど歯周病が進行している場合、歯ぐきや顎の骨にも影響が及んでいる可能性があります。
Q.犬の歯が抜けるのを予防するために自宅でできることはありますか?
A.犬の歯が抜ける予防には、日頃の歯みがきと定期的な歯科チェックが大切です。
また、硬すぎるおもちゃや骨は歯の破折につながることがあるため、与えるものの硬さにも注意しましょう。

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