「猫が抜歯して歯肉縫合が必要と言われたが、どんな処置なのか分からない」
「猫が遊んでいたら歯茎を切ってしまった」
「猫に歯科処置をしてもらいたいが歯肉縫合が痛そうで不安」
このようなことを経験したことはありませんか?
猫の歯周病の治療などで抜歯をした後に歯肉縫合という処置を行うケースは多いです。
しかし歯肉縫合と言う聞き慣れない処置に不安を感じる飼い主さんが多いのも事実です。
この記事では、猫の歯肉縫合のメリットや放置するリスクについて詳しく解説します。
最後まで読んで、愛猫に歯肉縫合が必要になった際は安心して施術を受けられるよう参考にしてください。

猫の歯肉縫合とは
猫の歯肉縫合とは、抜歯などの施術を行った後に、歯茎の傷口を医療用の糸で縫い合わせる処置のことです。
猫の口の中の粘膜は非常にデリケートで、傷口がむき出しのままだと、さまざまなトラブルの原因になります。
「繊細な猫の口の中を縫っても大丈夫なの?」と心配になるかもしれません。
しかし猫の歯肉縫合は獣医療において口の環境を健やかに保つために欠かせない基本の手術工程です。
猫の歯肉縫合に使用する糸は、時間の経過とともに自然に体内に吸収される素材が主流となっています。
そのため、後から糸を抜くための再手術や処置が必要ないケースがほとんどです。
術後の違和感も少なく、猫にとっても負担が少ない方法として広く選択されています。
猫の歯肉縫合が必要になる時
猫の口の中で歯肉縫合が必要になるのは、主に歯の根底にある組織にアプローチしたときです。
具体的には、以下のような状況で歯肉縫合が行われます。
- 重度の歯周病で抜歯をしたとき
- 歯肉が損傷したとき
- 口腔内にできた腫瘍を切除したとき
以下に詳しく説明していきましょう。
重度の歯周病で抜歯をしたとき
猫の歯周病が進行すると、歯を支えている骨が溶けてしまい、最終的には抜歯が必要になります。
歯を抜いた後の穴は大きく、そのままでは食べ物や細菌が入り込んで炎症を起こしかねません。
そこで、歯ぐきをきれいに整えてから縫い合わせることで、穴を塞ぎます。
これにより、猫の口の中の衛生状態を改善することが可能です。
歯肉が損傷したとき
猫は尖ったおもちゃを噛んだり、事故に遭ったりして、歯ぐきが大きく裂けてしまうことがあります。
猫の口の粘膜は非常に繊細なため、裂けたまま放置すると傷口が広がって痛みも増してしまうでしょう。
このような外傷に対しては、痛みを和らげて感染を防ぐ目的で歯肉縫合を行います。
傷口を閉じることで、猫が元の通りにご飯を食べられるようサポートします。
口腔内にできた腫瘍を切除したとき
猫の口の粘膜や歯茎にしこりができてしまった場合、外科的に切除が必要になることもあるでしょう。
腫瘍を外科的に切除した後は、残った周囲の歯茎を上手に伸ばし、欠損部を覆うようにして歯肉縫合を行います。
猫の口の機能を維持し、術後の早期回復を目指すためにとても重要な工程です。

猫の歯肉縫合をするメリット
猫の歯肉縫合には、手術後の経過を良くする多くのメリットがあります。
主なメリットとして、以下の点が挙げられます。
- 傷口の治りが早くなる
- 術後の出血や痛みを和らげる
- 食べ物の詰まりや感染を防ぐ
以下に詳しく説明していきましょう。
傷口の治りが早くなる
傷口が大きく開いたままだと、新しい組織がそこを埋めるまでに長い時間がかかってしまいます。
しかし歯肉縫合によって組織を密着させると、再生スピードが早まります。
治癒にかかる期間を短縮できるため、猫が不快感を覚える期間を短くすることが可能です。
歯肉縫合は元気な状態に早く戻してあげたいときに、効果的なアプローチです。
術後の出血や痛みを和らげる
抜歯後に骨や神経が露出していると、猫の口に激痛が走ります。
歯茎で蓋をしてあげることで、外部からの刺激を遮断し、猫の口の痛みを大幅に軽減することが可能です。
歯肉縫合をすると圧迫が加わるため、術後の出血を止める効果も高くなります。
手術が終わって麻酔から覚めた後の、猫の精神的なストレスの軽減にも繋がるでしょう。
食べ物の詰まりや感染を防ぐ
猫の口の中には常に多くの細菌が存在しており、食べ物は細菌の栄養源になります。
抜歯した後の穴にフードが詰まると、腐敗して重度な感染症を引き起こしかねません。
しっかりと縫合して隙間を無くしておけば、異物が入り込むスペースが消えます。
術後のトラブルや二次感染を防ぐために、歯肉縫合は重要な施術です。
猫の歯肉縫合をしないとどうなるの?
猫の口の傷口が開いたままだと、唾液中の細菌が骨や深い組織へと侵入してしまうこともあります。
感染が骨にまで達すると、骨髄炎という治療が難しい病気を発症しかねません。
細菌が深くまで侵入すると、猫の鼻腔と口の中が繋がってしまい、慢性の鼻炎やくしゃみで猫が一生苦しむケースも存在します。
激痛のせいで食事を一切受け付けなくなり、体力がみるみる落ちてしまうこともあります。
このような猫の苦痛を防ぐためにも、抜歯後の丁寧な歯肉縫合は大切な処置と言えるでしょう。

まとめ
猫の歯肉縫合は、抜歯後の傷口を保護し、感染や激しい痛みから守るために重要な施術です。
歯肉縫合を行うことで術後の回復が早くなり、猫が再び快適にご飯を食べられるようになります。
猫の口の痛みを我慢させたままでいると、全身の健康状態まで悪化してしまうかもしれません。
愛猫が健やかに暮らすために、適切な歯科治療を選択してあげてください。
当院では猫に限らず、歯科治療の実績が豊富にあります。
口のトラブルや気になる症状があれば、いつでも当院までお気軽にご相談ください。
よくあるご質問(Q&A)
Q.猫の歯肉縫合では抜糸をする必要がありますか?
A.猫の歯肉縫合では、自然に吸収される糸を使用することが多いため抜糸が不要なケースがほとんどです。
ただし、使用する糸や治療内容によって異なる場合もあるため、術後の予定は担当の獣医師に確認しましょう。
Q.猫の抜歯後は歯肉縫合をしたほうがいいですか?
A.猫の抜歯後は、歯肉縫合を行った方がいいケースが多くあります。
傷口をそのままにすると、食べ物や細菌が入り込み、感染や治癒の遅れにつながる可能性があります。
抜歯の状態に応じて、適切な処置を受けることが大切です。
Q.猫の歯肉縫合をした後は自宅でどのようなことに気をつければよいですか?
A.猫の歯肉縫合後は、傷口に負担をかけないように過ごすことが大切です。
処方された薬を指示通りに使用し、しばらくはやわらかい食事を与えると安心です。
食欲が戻らない、出血が続く、口を強く気にするなどの様子が見られた場合は、早めに動物病院へ相談しましょう。
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