ひづめは、愛犬のおやつやストレス解消グッズとして非常に人気のある商品のひとつです。
ペットショップで気軽に購入でき、長持ちするため犬にとっても飼い主様にとっても便利ですよね。
そんなひづめを与えることは犬にとってリスクを伴うということを知っていますか?
ひづめは非常に硬いため、歯が折れたり傷ができたりする事故の原因になります。
今回は、ひづめを犬に与えることの危険性について解説します。
牛のひづめがお気に入りである犬の飼い主様は、ぜひこの記事を最後まで読んでいただき、そのリスクについて知っておきましょう。

ひづめの何が危険?
ひづめが犬にとって危険である最大の理由は「硬さ」です。
おやつやストレス解消グッズとしてよく与えられるひづめは、牛などのひづめを綺麗に洗って茹でられた後徹底的に乾燥させて作られています。
そのためひづめは非常に硬く、犬が長時間噛み続けることができます。
噛むことにより少しずつ唾液で柔らかくなっていき、最終的に少しずつちぎれて犬が食べることが可能です。
しかしひづめのメリットであるはずの硬さが、トラブルの原因になってしまうことは少なくありません。
歯が折れる
ひづめによるトラブルで最も多いのが、歯が折れてしまう事故、歯の破折です。
歯の表面の硬いエナメル質が、犬は人間と比べて薄いと言われています。
そのため硬いひづめを思い切り噛んで歯に強い力をかけることで、歯が割れたり欠けたりしてしまう恐れがあります。
特に上顎の奥歯の第4前臼歯という一番大きな歯は、力が強くかかりやすく、ひづめのような硬いものを噛んだ時に破折してしまうことが多いです。
消化管や口腔内を傷つける
ひづめを犬に与えることは、犬がひづめを噛み砕いて小さくなった破片や鋭利に尖った端で消化管や口腔内が傷ついてしまうリスクもあります。
ひづめは犬の唾液が染み込むことで少しずつ柔らかくなっていきますが、いきなり犬が強い力でひづめを割ってしまうと、鋭い端や欠片ができます。
このような状態のひづめを噛んだり丸呑みしたりすることで、口腔内や消化器を傷つけることも多いです。
棘が刺さって口腔内に傷ができると、出血や炎症を起こすこともあります。
ひづめにより歯が割れるとどうなる?
人間は日常生活の中で歯が割れることはあまりないため、歯が割れるとどうなるかイメージが湧きにくいですよね。
歯の表面は硬いエナメル質と象牙質に覆われていますが、その中心部には歯髄と呼ばれる神経が走っています。
歯の表面が少し欠けてしまうくらいでは症状を出すことは少なく、飼い主様も気づかれないことが多いです。
しかし歯が大きく欠け、歯髄が剥き出しになる露髄(ろずい)と呼ばれる状態になると歯に強い痛みを生じるようになります。
そのため
- 飲水量や食事量が減る
- ボロボロこぼしながら食べる
- 硬いものを嫌がる
- よだれが出る
- 口を触られるのを嫌がる
などの変化が出ることがあります。
また露出した神経から歯の根元の歯根と呼ばれる部分に細菌が入り込み感染を起こすことがあります。
感染症が進行すると、歯根に膿がたまり頬が大きく腫れたり頬の皮膚に穴が開いてしまうこともあります。

歯が割れてしまった場合の治療法
ひづめにより歯が欠けて露髄すると、強い痛みを生じるため愛犬に明らかな症状が出るようになります。
飼い主様としては一刻も早く愛犬の痛みを取り除きたいと思いますよね。
露髄した歯の治療法は、以前までは抜歯手術が唯一の選択肢でした。
しかし歯を抜いてしまうと二度と生えてくることはないため、なるべく避けたいと思われるかもしれません。
歯が割れてしまった場合の治療として、露髄した歯を残すために歯内治療という選択肢を行うことがあります。
歯内治療とは、感染や露髄した歯の神経を取り除き歯の内部を消毒して薬を詰めて樹脂で補強するという治療です。
人間の虫歯の治療と同じ方法ですね。
歯内治療を行うことで痛みの原因を取り除きつつ大切な歯を抜かずに温存できるという大きなメリットがあります。
犬の歯内治療は専用の器具が必要なだけでなく、とても繊細な処置なので専門的な知識と高度な技術が必要です。
当院では歯内治療も行っており、ひづめによって犬の歯が割れてしまった場合も選択肢の一つとしてご提案可能です。
犬の歯の健康のために
ひづめはデンタルケア目的やストレス解消グッズとして有用ですが、歯を失ったり高度な治療が必要になってしまうこともあります。
デンタルケアのためには、硬いものを噛んで物理的に汚れを削り落とすのではなく、毎日の歯ブラシの方が確実で歯を傷つける可能性も少ないです。
犬がどうしても嫌がってしまい歯ブラシができない場合には、人間の爪で押すとしっかり跡がつく程度の硬さの専用のデンタルガムの方が安全です。
旅行や引っ越しなどの犬にとってストレスのかかるイベントの時は、別の方法を見つけてあげましょう。
犬の歯の健康を考えると、愛犬にとって大好物であってもひづめは与えずに別の方法を考えてあげると良いでしょう。

まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は犬にひづめを与えることによるリスクについて解説しました。
犬が夢中になって遊ぶため一見魅力的に思えますが、大切な犬の歯を失ってしまう事故につながりかねません。
過去に蹄を与えたことのある犬で、歯の変色や口の周りに違和感がある様子がある場合は、破折による痛みを隠している状態の可能性があります。
当院では、なるべく犬の歯を温存できるよう歯内治療を行うことも可能です。
愛犬がご飯を美味しく食べ長く健やかに生きていくために、ベストな治療を行えるよう尽力しています。
犬の歯のトラブルでお悩みの飼い主様はぜひ当院までご相談ください。
よくあるご質問(Q&A)
Q.犬にひづめを与えた場合どのような危険がありますか?
A.ひづめは非常に硬いため、犬が噛むことで歯が欠けたり折れたりする危険があります。
また、割れたひづめの破片によって口の中や消化管を傷つける可能性もあるため、犬の歯の健康を考えると与えないほうが安心です。
Q.犬がひづめを噛んで歯が折れた場合はどのような症状がみられますか?
A.犬の歯が大きく折れて神経が露出すると、硬いものを嫌がる、食べ物をこぼす、よだれが増える、口を触られるのを嫌がるなどの症状がみられることがあります。
歯の破折が疑われる場合は、早めに動物病院を受診しましょう。
Q.犬の歯が折れた場合は抜歯するしかありませんか?
A.犬の歯が折れた場合でも、状態によっては歯内治療によって歯を残せる可能性があります。
歯内治療では露出した神経などを取り除き、歯の内部を消毒して薬を詰めることで、痛みの原因を取り除きながら歯の温存を目指します。
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