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犬の僧帽弁閉鎖不全症について その①(粘液腫様変性性僧帽弁疾患)

こんにちは!

武蔵小山どうぶつ病院の獣医師の平尾大樹です。

今日はワンちゃんの心臓病のお話をさせて頂こうと思います。

早速ですが、動物病院でワンちゃんに「心雑音がある」という風に言われたことはありませんか?

中高齢の小型犬で聴取される心雑音の大半(約8割以上)はこの僧帽弁閉鎖不全症によるものであると言われています。

人では弁膜症という風に言われたりもします。人も高齢の患者さんが多いですね。

どういった病気かという話を始める前に、まずは、僧帽弁というもののお話からさせて頂こうと思います。

心臓の左心房と左心室の間に僧帽弁という2枚の弁があります。心臓が収縮して(縮んで)左心室から大動脈を通して全身に血液を送る時に、この僧帽弁がぴっちりと閉じることで左心室から左心房に血液が逆流するのを防いでいます。生命の不思議というかすごく良くできた構造物だと思います・・・!

この僧帽弁が年齢と共にブヨブヨと厚くなっていってしまうことを僧帽弁の粘液腫様変性と言います。

僧帽弁がブヨブヨに厚く変化していってしまう事によって、上手く弁が閉じなくなってしまい、僧帽弁の閉鎖がうまくいかなくなる、すなわち、僧帽弁が閉鎖不全になってしまう事で、心臓が収縮した時に左心室から左心房に血液が逆流してしまう病気です。

 

この僧帽弁の変性の程度はそれぞれのワンちゃんによって様々ではありますが、小型犬では歳をとってくるにつれて少なからず起こってくることが多いです。

ただ、逆流を起こす、つまり僧帽弁閉鎖不全症まで進行するかどうかは個体差があります。

僧帽弁閉鎖不全症になったとしても、軽度の場合、症状が出ないことも多いですが、僧帽弁閉鎖不全症による心雑音は胸に聴診器を当てればわかるので、早期発見のために定期的に動物病院に連れて行ってあげて、聴診をしてもらう事は非常に重要です!

 

もしそこで「心雑音がある」と言われたら、詳しい心臓の検査をしてもらうことをお勧めします。

次回は、僧帽弁閉鎖不全症が進行していくとどうなるのか、必要な検査などについて説明していこうと思います!

 

 

品川区・目黒区の動物病院 武蔵小山どうぶつ病院


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