「愛犬の口のまわりが赤くなっている」
「歯みがきをしたら歯ぐきから血が出る」
「おもちゃを噛んだあとに血がついている」
このような犬の歯ぐきの出血に気づき、不安を感じたことはありませんか?
歯ぐきからの出血は、炎症や腫瘍などが原因の場合もあれば、全身の病気が関係していることもあり、注意が必要なサインです。
本コラムでは、犬の歯ぐきの出血が起こる
- 主な原因
- 考えられる病気
- 予防法
について、わかりやすく解説します。
最後までお読みいただき、愛犬の歯ぐきに異変が見られた時の参考にしていただければ幸いです。

犬の歯ぐきの出血のおもな原因
犬の歯ぐきの出血は、口の中のトラブルを知らせる重要なサインです。
軽い炎症から、放置すると進行してしまう病気まで、さまざまな原因が考えられます。

歯周病・歯肉炎
犬の歯ぐきの出血でもっとも多い原因が歯周病です。
歯の表面に付着した歯垢や歯石には多くの細菌が含まれており、歯ぐきに炎症をひき起こします。
初期の歯肉炎では、
- 歯ぐきが赤く腫れる
- 歯みがきをすると出血する
といった症状が見られることが多いです。
初期の歯肉炎の段階で適切なケアや治療を行えば、改善が期待できます。
しかし、様子をみているうちに歯周病へと進行すると、歯を支えるあごの骨が溶けてしまうこともあります。
症状が進むと、
- 口臭が強くなる
- 食べにくそうにする
- 歯がグラグラする
などの症状がみられることが多いです。
歯みがきや硬いものを噛んだことによる外傷
歯みがきの際に力が強すぎたり、硬すぎるおやつやオモチャを噛んだりすることで、歯ぐきを傷つけて出血することがあります。
歯ブラシで歯ぐきをこすり過ぎると、
- 歯肉が退縮する
- 歯ぐきから血が出る
- 歯みがきの時に痛がる
などの症状が起こります。
手で曲げることができないほど硬いおやつやオモチャはなるべく避けるようにし、
歯みがきは優しく行うようにしましょう。

歯ぐきのできもの
歯ぐきのできものから、出血することもあります。
できものは良性の場合もありますが、悪性腫瘍の可能性も否定できません。
歯ぐきにできる代表的な悪性腫瘍には、
- メラノーマ
- 扁平上皮癌
- 線維肉腫
などがあります。
次のような症状がみられる場合は、早めに動物病院を受診しましょう。
- 一部分だけから出血している
- 歯ぐきが盛りあがっている
- 出血がなかなか止まらない
全身性の病気による出血
歯ぐきの出血は、口の中だけの問題とは限りません。
以下のような全身性の病気が関係していることもあります。
- 血小板減少症
- 血液凝固異常
- 肝臓病
- 鼻血や皮膚の内出血
- 元気や食欲の低下
などの症状がみられる場合は、特に注意が必要です。
乳歯の生えかわり
子犬では、乳歯の生えかわりのときに歯ぐきから出血することがあります。
犬は生後4〜6か月齢ごろに乳歯が抜け、永久歯に生え変わります。
この時期の出血は一時的なもので、乳歯が抜ければ自然に治まるため、基本的に心配はいりません。
歯ぐきの出血があるときの注意したい症状
歯ぐきから多く出血している場合は、口の周りに血が付着するため、飼い主さまが気づきやすいことが多いです。
歯ぐきの出血がある犬では、
- 口をクチャクチャさせる
- よだれがたくさん出る
- 前足で口の周りをこする
などの仕草がみられることが多いです。
これらの行動は、ほかの口腔内トラブルや病気でも見られることがあります。
少しでも気になる症状があれば、早めに動物病院を受診することが早期発見につながります。

犬の歯ぐきの出血、予防方法は?
歯ぐきの出血を予防するためには、日ごろのケアと定期的なチェックが大切です。
歯周病・歯肉炎の予防
歯周病や歯肉炎の予防には、歯みがきを行うことが重要です。
歯に付着した歯垢に、唾液中のカルシウムやリン酸が結合すると歯石になり、
歯周病が進行しやすくなります。
歯みがきで食べかすや歯垢をこまめに除去することが、歯周病や歯肉炎の予防につながります。
外傷の予防
外傷を防ぐために、飼い主さまができることは、
- 力を入れすぎず、やさしく歯みがきを行う
- 硬すぎるおやつやオモチャを与えない
などです。
歯をきれいにしようと力を入れすぎると、歯ぐきを傷つけてしまうことがあります。
また、硬すぎるおやつやオモチャは、犬の歯ぐきを傷つけるリスクが高くなることも。
人の手で軽く曲げられる程度の硬さを目安に選ぶと安心です。
定期健診による早期発見・早期治療
ご自宅で口の中を確認しようとしても、嫌がって見せてくれないことの方が多いでしょう。
口の中に痛みがある場合や、重度の歯周病や腫瘍がある場合は、なおさら触らせてくれなくなります。
動物病院で定期的に口腔内をチェックすることで、ご家庭では見つけにくい異常も早期に発見できます。
口の中のトラブルは、できるだけ早く対処することが大切です。
まとめ
今回は、犬の歯ぐきの出血について、原因や考えられる病気、予防方法について解説しました。
歯ぐきの出血は、すぐに止まる場合もあります。
しかし、何度も出血を繰り返したりほかの症状を伴う場合は、放置していると病気が重症化してしまう可能性もあります。
愛犬の歯ぐきの出血に気が付いたら、できるだけ早く動物病院を受診しましょう。
当院は、歯の診療に力を入れています。
愛犬の歯ぐきの健康に不安がある方は、当院までご相談ください。
よくあるご質問(Q&A)
Q1. 歯みがきのたびに歯ぐきから血が出ますが、続けて大丈夫ですか?
A. 軽い歯肉炎がある場合、最初は歯みがきで出血することがあります。
ただし、出血が続く場合や痛がる様子がある場合は、歯周病の進行が疑われるため、動物病院での診察をおすすめします。
Q2. 一時的な出血でも受診したほうがよいのでしょうか?
A. すぐに止まり、その後再発しない場合は経過観察で問題ないこともあります。
しかし、出血を繰り返す場合や、口臭・腫れを伴う場合は、早めの受診が安心です。
Q3. 歯ぐきの出血から全身の病気が見つかることはありますか?
A. 血液の病気や肝臓の異常などが原因で、歯ぐきから出血することがあります。
歯ぐき以外にも出血や元気食欲の低下がみられる場合は、血液検査を含めた精査が必要になります。

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