犬の抜歯は、
- 乳歯遺残
- 歯周病
- 歯の破折
などさまざまな理由で行われる一般的な処置です。
しかし、抜歯後は歯ぐきが腫れたり痛みがでてくることがあるため、普段通りの食事がうまく取れないことがあります。
この記事では抜歯後の食事のタイミングや与え方、注意点などを詳しく解説します。
ぜひ、最後までお読みいただき抜歯後のご飯のあげ方の参考にしてください。

犬の抜歯はどんなときに行われる?
犬の抜歯が行われるのは、歯を残すことで痛みや感染が続いたり、周囲の組織に悪影響が及ぶと判断された場合です。
代表的なケースには次のようなものがあります。
- 歯周病
- 乳歯遺残
- 歯の破折
歯周病では、歯の周囲の骨が溶けてしまい、歯を支えられなくなるため抜歯が必要です。
乳歯遺残では、永久歯が正しい位置に生えず歯並びや噛み合わせに影響するため、将来的なトラブルを防ぐ目的で抜歯が行われます。
歯の破折がある場合は、歯髄(神経)が露出することで強い痛みや感染のリスクが高くなるため、抜歯または歯の処置が必要になります。

永久歯の抜歯は身体への負担が大きくなりやすい
乳歯の抜歯に比べて、永久歯の抜歯は身体への負担が大きくなりやすい傾向があります。
永久歯は根が深く、周囲の骨と強く結びついているため、抜歯の際に歯ぐきや顎の骨への侵襲が大きくなるからです。
とくに歯周病が進行している場合は、
- 出血が多くなる
- 抜歯後の腫れや痛みが強く出る
- 回復までに時間がかかる
といったことも珍しくありません。
さらに、複数本の抜歯や奥歯の抜歯では、食事への影響も大きくなりやすいため、術後のケアやご飯の与え方がとても重要になります。
抜歯後、最初のご飯はいつからOK?
抜歯後の食事は、基本は麻酔が完全に覚めてからになります。
抜歯した当日は、麻酔の影響でふらつきや吐き気が出ることがあります。
抜歯後の食事は麻酔から覚めて犬の状態を見ながら与えていきます。
数時間後〜翌日以降に、少量から始めるのが一般的です。
いきなり通常量を与えると、吐き戻しや傷口への負担になることがあります。
最初は通常の1/3〜1/2程度から与え、様子を見てあげましょう。
抜歯後に適した食事はどのようなもの?
抜歯直後は口の中が痛むため、柔らかくて食べやすい食事が基本です。
- ウェットフード(缶詰・パウチ)
- ふやかしたドライフード
ウェットフードは水分が多く、口腔への負担が少ないです。
普段ドライフードを食べている犬は、ぬるま湯で完全にふやかしおかゆ状になるまで潰す方法もおすすめです。
舐めて食べられるくらいまでにしてあげると良いでしょう。
ただし、普段食べなれないものを食べると、下痢や嘔吐など消化器症状がでてくる場合があります。
可能な限り普段の食事に近いものがおすすめです。
抜歯後の食事量・頻度の目安
抜歯後の食事量の目安を解説いたします。
通常は、いつもの食事に戻るまでに1週間程度要します。
抜歯の本数や状態によっても異なるため、獣医師と相談しながら調節していきましょう。
抜歯後1〜3日目
柔らかいご飯を少量1日2〜3回に分けてあげてみましょう。
多数抜歯した際には食べるスピードが普段より遅くなることもあります。
抜歯後4〜7日目
少しずつ通常の食事量に戻していきます。ドライフードはまだ硬いので、柔らかめを継続していきます。
抜歯後1週間〜10日以降
多くの犬はこの頃から普通の食事に戻すことができます。
様子を見ながらドライフードなど普段の食事を与え始めましょう。
ただし大きな抜歯・多数抜歯の場合はもっと長くかかることがあります。
抜歯後の出血・痛みと食事への影響
犬の抜歯後は、患部の痛みや出血に注意が必要です。
出血に関しては、よだれに少し血が混じる程度なら大きくは問題ありません。
また抜歯後2〜3日は患部の痛みや違和感によって食欲が落ちてしまうことがあります。
通常抜歯後は痛み止めが処方されることが多いです。
指示通りに飲ませると痛みの管理ができ、食欲が戻りやすくなります。

抜歯後の注意点
抜歯後は傷口に負担がかからないように注意が必要です。
- 硬いドライフード
- デンタルガム、噛むおもちゃ
- 骨系やジャーキーなど硬いおやつ
- 脂っぽい食材のトッピング(下痢・嘔吐の原因)
上記のような、抜歯した部位への刺激になったり傷口の離開の原因となるものは避けましょう。
少なくとも1〜2週間は硬いものは控えるのが安心です。
また抜歯後の歯磨きに関しても、口の中の様子を見ながら再開します。
タイミングに関しては獣医師に相談してみましょう。
ご飯を食べないときの対処法
抜歯後は歯の痛みや、処置後のストレスから軽度の食欲低下が起こる場合があります。
そんなときは以下の方法を試してみてください。
- 温めて香りを立たせる(人肌程度)
- スープや水分を足して飲み込みやすくする
- 飼い主が手から少しずつ与える
しかし上記を試しても全く食べない場合や、以下のサインがあれば早めに獣医師に相談してください。
- 24時間以上ほとんど食べない
- よだれが増える
- 口を触ると強く嫌がる
- 腫れ・出血が増えている

まとめ
犬の抜歯後の食事の与え方のまとめです。
- 麻酔が覚めてから少量で開始する
- 最初は柔らかい食事から開始し、徐々に通常食へ戻す
- 1週間ほどは硬いものを避ける
- 食べにくそうなら温めたり水分を増やす
- 食べない・腫れがひどい時は獣医師へ相談する
なるべく早く抜歯後の傷口が回復し、通常食に戻れるようにご自宅でも工夫をしていきましょう。
当院は歯科に力を入れています。
抜歯の実施から、抜歯後のケアまでその子に合った方法をご提案します。
いつでもご相談ください。
よくあるご質問(Q&A)
Q1. 抜歯した当日はご飯をあげても問題ありませんか?
抜歯当日は麻酔の影響が残っていることが多く、ふらつきや吐き気が出る場合があります。
食事は麻酔がしっかり覚めてから、少量ずつ様子を見ながら与えることが大切です。
無理に食べさせると吐き戻しや傷口への負担につながることがあります。
Q2. 抜歯後はどんなご飯が食べやすいですか?
抜歯後は歯ぐきに負担がかからない柔らかい食事が適しています。
ウェットフードや、ぬるま湯で十分にふやかしたドライフードなど、舐めるように食べられる状態にすると安心です。
消化不良を防ぐため、普段の食事に近い内容を選ぶことも重要です。
Q3. 抜歯後にご飯をまったく食べない場合はどうすればいいですか?
術後の痛みやストレスによって一時的に食欲が落ちることがあります。
人肌程度に温めて香りを立たせたり、水分を足して飲み込みやすくすることで食べてくれることもあります。
24時間以上ほとんど食べない場合や、腫れや出血が強くなる場合は、早めに動物病院に相談することが大切です。

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