犬の歯が欠けているのを見つけると、「痛くないかな?」「病院に行くべき?」と不安になりますよね。
犬の歯の欠け(破折)は意外と多いトラブルです。
放置すると、痛みや感染が起こり全身の不調につながることもあります。
この記事では、犬の歯が欠ける原因から、症状、治療法まで詳しく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、犬の歯が欠けた際に適切な対応ができるようにお役立てください。

犬の歯の基本構造
犬の永久歯は、
- 切歯(前歯)
- 犬歯
- 前臼歯
- 後臼歯
で構成され、永久歯の総数は42本です。
犬の歯の外側はエナメル質や象牙質などの硬い組織に覆われ、中に歯髄腔という血管や神経が走っている構造となっています。

犬の歯が欠ける原因とは?
犬の歯はとても丈夫なように思えますが、さまざまな原因によって欠けてしまうことがあります。
それぞれ解説していきましょう。
硬すぎる物を噛んだ
犬の歯が欠ける原因で最も多いものが、硬いものを噛んだことによるものです。
- 牛骨などのおやつ
- 硬すぎるデンタルガム
- 石・金属・硬いプラスチック製おもちゃ
上記のようなおやつやおもちゃが原因となることが多いです。
また不安や退屈などから、ケージやフェンスなどを噛んでしまうことによって歯が欠けてしまう場合もあります。
硬いものを噛んだ際には、奥歯(前臼歯)が欠けやすくなります。
事故や衝突
事故による歯の欠けも、犬では良く起こる状況です。
- 高い所からの落下
- ケージや家具への激突
- 他犬との激しい衝突
このような事故などによる衝撃では、特に切歯や犬歯が欠けやすくなります。
歯の疾患(歯周病)
歯周病も歯が欠ける原因のひとつです。
歯周病が進行すると歯を支える組織が弱くなり、少しの衝撃で歯が欠ける・折れるといったことが起きてきます。
歯周病は主に中・高齢犬に多くみられるため注意が必要な病気です。
加齢による歯の劣化
犬も人間と同様に、加齢とともに歯が弱くなります。
特に高齢になると、栄養状態が落ちたり、歯を支える骨の密度が低下することによって、歯が欠けやすくなります。

犬の歯が欠けた場合の症状は?
犬の歯が表面(エナメル質)のみ欠けている場合は痛みはほぼなく、治療せずに経過観察になることも多いです。
しかし、象牙質まで欠けている際にはしみたり、細菌感染を起こしたりする可能性があります。
また神経(歯髄)まで露出してしまっているときには強い痛みを伴います。
露出したところから細菌が入り込み、顎や頬に膿が溜まったり、全身に感染を引き起こす危険性があるため注意が必要です。
象牙質や歯髄まで歯が欠けている場合は、以下のような症状がみられます。
- 食欲がなくなる
- よだれが増える、血が混じる
- 口を片側しか使わなくなる
- 頬や顎が腫れる(膿瘍の可能性)
- 口臭が強くなる
歯が欠けていることを発見したら、口の中を無理に触らず硬い食べ物は避けましょう。
見た目では分からなくても、内部で神経まで達していることがあるため、早めに動物病院を受診しましょう。
犬の歯が欠けた際の治療方法
歯の欠け方や年齢、全身状態によって治療は異なります。
状況によっては、以下のような処置が必要な場合があります。
抜歯
抜歯は下記のような場合に適用される治療法です。
- 歯が欠けてしまい歯髄まで露出されてしまっている
- 感染が起きている
- 歯周病が重度である
欠けた歯が神経にまで達している場合など、保存が難しい場合には抜歯をする必要があります。
犬は歯が数本なくても日常生活に支障はありません。
欠けた歯の抜歯は、確実に痛みと感染リスクを取り除くために実施されます。
歯髄治療(根管治療)
歯髄治療とは人間の虫歯治療のように、感染・炎症を起こしている神経や血管を取り除いて歯を残す方法です。
歯の専門的な技術が必要になるため、歯科に力をいれている病院に相談するのが良いでしょう。
歯の表面の保存
歯が欠けているのがエナメル質のみにおさまり、歯髄が露出していないときには、レジンなどで歯の表面を保護する治療が行える場合もあります。
こちらも一般病院では実施が難しいことが多いです。
歯科に力をいれている病院での実施がおすすめですね。

まとめ
犬の歯が折れていても、軽度の場合は発見が遅れてしまう場合もあります。
しかし歯の折れを放置すると、症状が悪化し全身の不調に繋がる場合もあります。
早めに異変に気がつき、適切な対処をすることが犬のQOL(生活の質)を守るために大切です。
日頃から歯磨きをする際に、口の中を確認する習慣をつけると良いでしょう。
当院は歯科診療に力を入れています。
犬の歯が欠けていると気がついた際には、早めに当院にご相談ください。
よくあるご質問(Q&A)
Q1. 犬の歯が少し欠けているだけでも動物病院を受診した方がよいですか?
犬の歯の欠けが小さく見えても、内部で象牙質や歯髄にまで影響が及んでいることがあります。
見た目だけでは欠けの深さを判断することは難しいため、痛みや感染を防ぐ目的でも動物病院で状態を確認してもらうことが大切です。
Q2. 犬の歯が欠けた場合、必ず抜歯が必要になりますか?
歯の欠け方や神経の露出の有無、歯周病の進行状況によって治療方針は異なります。
歯髄まで達していない軽度の欠けであれば、歯を残す治療が選択されることもあります。
感染や強い痛みがある場合には多くの場合抜歯が必要です。
Q3. 犬の歯が欠けるのを予防するために気をつけることはありますか?
硬すぎるおやつやおもちゃを避け、歯に強い負担がかからないようにすることが大切です。
また、歯周病によって歯が弱くなることもあります。
日常的な歯みがきや定期的な歯科チェックを行い、口腔内の健康を保つことが予防につながります。

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