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犬の噛み合わせの異常(不正咬合)とは?|原因・種類・症状・治療を詳しく解説

犬の口の中の健康は、食事や遊びだけでなく、全身の健康にも大きく関わります。
そのなかでも噛み合わせの異常(不正咬合)は、見逃されやすい一方で、放置すると痛みや怪我などの慢性的なトラブルにつながる場合もあります。

この記事では、犬の不正咬合について、原因や種類から対処法まで詳しく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、愛犬の噛み合わせが気になるときの参考にしてください。

口を大きく開けられる犬

犬の正常な噛み合わせとは

正常な犬の噛み合わせは、以下のような状態です。

  • 上の前歯が下の前歯にわずかにかぶさる
  • 上下の犬歯が正しくかみ合い、互いに干渉しない
  • 奥歯(臼歯)が効率よく物を噛み砕けるように配置している

正常な噛み合わせが維持されていると、食事・歯磨き・遊びに支障が出にくく、口腔内トラブルのリスクも低くなります。

詳しく知りたいと思ったら一度ご相談ください。

犬の噛み合わせの異常(不正咬合)とは

犬の不正咬合とは、上下の歯や顎の位置が正常から外れている状態を指します。
歯が生え変わる際に一部の歯が異常な方向に生えてきてしまったり、上下の顎の長さの違いなどから歯が綺麗に噛み合わなくなります。
噛み合わせの異常が軽度であれば生活に支障がないことがほとんどです。

しかし重度の場合、以下のような問題が起こることがあります。

  • 口の中を歯が傷つける
  • 食べにくい、噛めない
  • 顎や歯に強い負担がかかる
  • 歯周病・歯折・感染症のリスクの増加

犬の不正咬合の主な種類

犬の不正咬合には主に4つの種類があります。
それぞれの特徴を解説しましょう。

下顎前突(アンダーバイト)

アンダーバイトは下顎が上顎より前に出ており、しゃくれているような状態です。
パグ、ブルドッグ、シーズーなどの短頭種では犬種の特性のことが多く、特に問題にならない場合がほとんどです。
ただし他犬種で起きた場合は、上の歯が下の歯に当たり、歯肉や口蓋を傷つけてしまうこともあります。

上顎前突(オーバーバイト)

オーバーバイトは上顎が下顎より前に出ている状態です。
食べ物をうまく噛めなかったり、犬歯が唇や歯肉に刺さるなどのトラブルがでることがあります。

交叉咬合(クロスバイト)

クロスバイトとは、左右どちらかの歯列が内側または外側にずれている状態です。
顎の成長異常が原因で、噛むたびに歯や顎に負担がかかります。

歯の位置異常

顎の長さは正常でも、歯が本来とは違う方向や場所に生えていることにより咬合異常が起きる場合があります。
犬歯が内側に向き、上顎や舌を傷つけたりすることがあります。

骨ガムをくわえている犬

犬の不正咬合の原因

犬の不正咬合には先天的なものと、成長過程のトラブルによるものに分かれます。
どちらか1つが原因となっている場合もあれば、さまざまな要因が関与している場合もあります。

遺伝的要因

顎の大きさや形は、遺伝の影響を強く受けます。
多くの場合、不正咬合は特定の犬種でみられる遺伝的な異常です。
例として、パグやフレンチブルドックなどの短頭種ではアンダーバイトが多く見られます。

乳歯遺残、成長過程の問題

乳歯遺残も不正咬合の原因となります。
永久歯が生えてくる際に抜けるはずの乳歯が抜けずに口内に残ってしまうことで、永久歯の成長を邪魔してしまいます。
また小さいときのおもちゃにも注意が必要です。
硬いおもちゃは歯や顎に過度な負担がかかり、不正咬合の原因となります。
また顎の骨格の成長異常などが関与することもあります。

外傷

子犬期に顎への強い衝撃がかかると、歯の破折や顎骨の損傷が起きることも少なくありません。
それにより左右の歯のバランスが崩れたりすることで、不正咬合の原因となる場合もあります。

犬の噛み合わせ異常の主な治療法

犬の不正咬合の多くは日常に支障がないため、治療は必要ありません。
ただし場合によっては治療が必要なこともあります。
犬の不正咬合で治療の対象となるのは以下のような場合です。

  • 歯肉が傷ついている
  • 機能面で問題が生じている

不正咬合の治療は主に3つあります。
それぞれ解説していきましょう。

抜歯

噛み合わせの治療では抜歯を行うことがあります。
若齢期の不正咬合の場合は、乳歯の抜歯を行うことで歯の正常な成長を促せます。
乳歯抜歯は、成長期の正しいタイミングで行うと効果的です。
成犬になってからの不正咬合では、口腔内を傷つけている歯がある場合に抜歯を実施します。
成犬後の抜歯は痛みや感染を防ぐための選択となります。

歯の矯正

歯の矯正は重度の不正咬合で機能障害がある場合に実施します。
人と同様に歯の矯正器具を使用します。
歯の矯正は専門的な治療となるため、歯科診療を専門にしている病院に相談が必要です。

ご自宅でできる予防とケア

子犬の頃から、定期的に口の中をチェックする習慣をつけましょう。
子犬期であれば、乳歯が抜けているかを確認することも大事です。
また不正咬合がある場合には、歯周病のリスクが高くなるため、毎日の歯磨きを習慣化しましょう。
また硬すぎるおもちゃを与えないなどの注意も必要です。
また歯や口の中の健康を守るために、定期的な歯科検診を受けることはとても重要です。
口の中の異変を感じたら早めに動物病院へ相談しましょう。

舌を出してこちらを見る犬

まとめ

犬の噛み合わせ異常は、見た目の問題だけではなく、痛みや生活の質に大きく影響する場合もあります。
特に成長期の対応が重要で、早期発見・早期治療によりトラブルを防ぐこともできます。
日頃から愛犬の歯磨きなどを実施し、口の中を観察する習慣をつけ、いつもと違うな、と感じたら獣医師に相談しましょう。

当院は歯科診療に力を入れています。
愛犬の噛み合わせが気になる場合は、いつでも当院にご相談ください。

よくあるご質問(Q&A)

Q1. 犬の噛み合わせが少しずれているだけでも治療は必要ですか?

噛み合わせの異常が軽度で、口の中を傷つけていなかったり、食事や生活に支障が出ていない場合は、治療を行わず経過観察となることも多くあります。
ただし、歯や歯肉に当たっている様子が見られる場合や、成長に伴って悪化する可能性がある場合には、早めに動物病院で評価を受けることが大切です。

Q2. 子犬の噛み合わせは成長とともに自然に治ることはありますか?

子犬の噛み合わせは、成長に伴って顎や歯の位置が変化し、自然に改善するケースもあります。
一方で、乳歯遺残や顎の成長バランスの問題がある場合は、不正咬合が固定してしまうこともあります。
成長期だからこそ、定期的な口腔チェックを受けながら経過を見ていくことが重要です。

Q3. 犬の噛み合わせ異常を放置するとどのような問題が起こりますか?

噛み合わせ異常を放置すると、歯が歯肉や口蓋を傷つけたり、歯周病や歯の破折が起こりやすくなることがあります。
また、噛みにくさから食事量が減ったり、慢性的な痛みにつながるケースもあります。
見た目に大きな異常がなくても、気になる変化があれば早めに相談することが大切です。

詳しく知りたいと思ったら一度ご相談ください。

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